国際シンポジウム
Between and Beyond Two Empires, Part 2
アジアとアメリカの帝国を超えてPart 2
コリアン・ディアスポラからの問い
2013年10月12日(土)開催


 2013年10月12日(土)に京都大学東京オフィス(品川駅)にて、Edward T. Chang氏 (UC
Riverside)と外村大氏(東京大学)をお招きし、国際シンポジウム「アジアとアメリカの帝国を超えてPart II
~コリアン・ディアスポラからの問い~」が開催されます。アジア系アメリカ研究やマイノリティ研究、帝国研究など、幅広い方面からのご参加をお待ちしております。参加ご希望の方(無料)は、メールでaasjapan@zinbun.kyoto-u.ac.jpまで、お名前・ご所属・ご連絡先をお知らせください。
 なお今回のシンポジウムでは、沖縄戦の玉砕についてのドキュメンタリー映画「ぬちがふぅ(命果報)~玉砕場からの証言~」もあわせて上映します。この映画は、2013年山形国際ドキュメンタリー映画祭(10月10日~17日)の特別招待作品で、本会場での上映は、映画祭開催中の上映となります。


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【会期】2013年10月12日(土) 10:30~18:30
【会場】京都大学東京オフィス(品川駅)http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/tokyo-office/about/access.htm
    東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟27階
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【プログラム】
(10:15 受付)
●午前の部 帝国の歴史と記憶(10:30-13:15)


[司会]李 里花(多摩美術大学)
ドキュメンタリー映画「ぬちがふぅ(命果報)~玉砕場からの証言~」上映
朴壽南監督インタビュー上映
[コメント]鈴木道彦(獨協大学名誉教授)



●午後の部 コリアン・ディアスポラからの問い(14:30-18:30)


<第1セッション>(14:30-16:00)
[司会] 佃 陽子(成城大学)
[講演] Edward T. Chang (UC Riverside)「ロサンゼルス‘暴動’とコリアン・アメリカン」
[コメント]佐原彩子(東京大学)・松坂裕晃(University of Michigan)
質疑応答
*講演は英語で行われます。参加申込をされた方には事前にペーパーをお送りいたします。


<第2セッション>(16:15-18:15)


[司会]菅 美弥(東京学芸大学)・李 里花(多摩美術大学)
[講演]外村大(東京大学)「日本戦後史のなかの在日朝鮮人問題」
[コメント]原尻英樹(立命館大学)・大野 俊(清泉女子大学)
質疑応答(外村大、他)
閉会の辞

【主催】科研基盤(S)「人種表象の日本型グローバル研究」 共催:京都大学人文科学研究所
【企画】アジア系アメリカ研究有志(中村理香・菅 美弥・佃 陽子・佐原彩子・李 里花)
【協力】全永彬(東京大学大学院)




■申込方法(参加無料)
参加ご希望の方は、メールでお名前・ご所属・ご連絡先をお知らせください。お申込みいただいた方には、午後の部第1セッションのペーパーをデータでお送りいたします。
お申し込み・お問い合わせ:aasjapan@zinbun.kyoto-u.ac.jp

<趣旨>
 日米のコリアン・ディアスポラは、帝国の歴史の中でいかなる経験をし、どのような記憶を紡ぎ出しているのか。そして日本を拠点とする研究者は、この歴史と記憶から何を学ぶことができるのだろうか。
 本シンポジウムは、午前に沖縄戦の玉砕を描いたドキュメンタリー映画「ぬちがふぅ(命果報)~玉砕場からの証言~」を上映し、日本帝国の時代を生きた朝鮮人の歴史の一端に触れ、帝国の歴史を記録する朴壽南監督の声に耳を傾ける。それを踏まえて、午後のシンポジウムでは、戦後の在日朝鮮人が投げかける問題は何かを考える。本シンポジウムでは、7月に行われたパート1に続き、戦後に新たな帝国として台頭したアメリカにも注目する。特にロサンゼルス‘暴動’という「暴力」の歴史を、韓国系移民の視点からみることによって、マイノリティをめぐる日米の認識や議論の違いを明らかにする。アジアとアメリカに存在した/する二つの帝国をめぐる問題を紐解きながら、日本を拠点に、ディアスポラやマイノリティを研究することと、その研究成果を日本国内やグローバル社会に発信していくことの意味を再考する。
(文責:李里花)



▶ 映画・講演者紹介
午前の部
ドキュメンタリー映画「ぬちがふぅ(命果報)~玉砕場からの証言~」
【監督】朴壽南 2012年/日本/132分/ブルーレイ上映
※2013年山形国際ドキュメンタリー映画祭(10月10日~17日)特別招待作品
20数年かけて掘り起こした27人の証言によって明らかになる沖縄戦の真実


 太平洋戦争末期、本土決戦の捨石となった沖縄戦では人口約4分の1にあたる住民が犠牲となった。1945年3月26日。15歳の少年は、米軍の艦船が、慶良間海峡を水平線が見えなくなるまで埋め尽くす光景を鮮明に記憶する。「敵上陸の暁には、全員玉砕あるのみ」。「軍名」を頭にたたき込んでいた住民たちは次々に愛する者の命をたっていった。かつて幼い少年少女だった瞳に刻まれた記憶は、あの日のままである。その記憶のなかに、朝鮮半島からつれて来られた軍属たち、慰安婦の少女たちの姿もあった。長い空白を経て、生き帰った韓国の元軍属たちが、再び沖縄をめぐる。蘇り交響しあうウチナンチュとコリアンの玉砕の記憶。(www.nutigafu.comより)
【監督:朴 壽南(パク スナム)】1935年三重県生まれ。監督作品「もうひとつのヒロシマ―アリランのうた」(87)/「アリランのうた―オキナワからの証言―」(91)。著書「罪と死と愛と」(63)/「李珍宇全書簡集」(79)/「もうひとつのヒロシマ」(82)。


[コメンテーター:鈴木道彦]一橋大、獨協大教授を経て、獨協大名誉教授。プルーストの『失われた時を求めて』(集英社)全訳で数々の賞。60年代から70年代にかけて「在日」の人権運動に深く関わり、著書に『越境の時:1960年代と在日』(集英社新書)がある。



午後の部 第1セッション
[講演者]Edward T. Chang 】
カリフォルニア大学リバーサイド校(University of California, Riverside)エスニック・スタディーズ学部教授。


 カリフォルニア大学バークレー校エスニック・スタディーズ博士号取得。コリアン・アメリカンに関する研究を多く発表してきた。中でもロサンゼルス‘暴動’とその後の人種民族関係を描いた著書・共著が話題となる。近年は、第二次大戦中の日系部隊に従軍したコリア系兵士の自伝を翻訳するなど戦時期に関する研究も発表し、コリア系兵士Young
Oak Kimを記念したカリフォルニア大学リバーサイド校Young Oak
Kim研究センターの代表も努める。(https://ethnicstudies.ucr.edu/people/faculty/chang/index.htmlより)


著書 Los Angeles: Struggles Toward Multiethnic Community (University of
Washington Press, 1995); Ethnic Peace in the American City: Community
Building in Los Angeles and Beyond (New York University Press,
1999)、他。


[コメンテーター1:佐原彩子]東京大学アメリカ太平洋地域研究センター特任研究員。カリフォルニア大学サンディエゴ校エスニック・スタディーズ博士号取得。日米におけるインドシナ難民受け入れ政策の歴史的意味について研究している。

[コメンテーター2:松坂裕晃]ミシガン大学歴史学部博士課程。早稲田大学大学院にて黒人政治思想史を専攻したのち、渡米。植民地解放運動・思想のグローバルな展開を中心に米国・東アジアの人種・民族関係を考察しており、在日朝鮮人史研究を開始している。



●午後の部 第2セッション
[講演者:外村大]
東京大学大学院総合文化研究科准教授。


 早稲田大学文学博士号取得。日本近現代史についてエスニックマイノリティである在日朝鮮人に着目して研究を進めている。具体的には1920年代以降の社会集団としての在日朝鮮人が形成される過程やそれに対する日本人民衆、日本の行政当局の対応のほか、日本帝国崩壊後の在日朝鮮人の国家への帰属やアイデンティティの変化などについて論じてきた。このところは、日本帝国内の人口移動、総力戦下の日本帝国の植民地民衆に対する動員の実態についての研究を進めようとしている。(http://www.sumquick.com/tonomura/index.htmlより)主著:『在日朝鮮人社会の歴史学的研究』(緑蔭書房、2004年)


[コメンテーター]原尻英樹】立命館大学教授。著書に、『マイノリティの教育人類学』新幹社、『コリアンタウンの民族誌:ハワイ・LA・生野』(ちくま新書)など。東シナ海域研究、中国朝鮮族のネットワーク研究に関する研究も数多く発表している。


[コメンテーター2:大野 俊]清泉女子大学文学部教授、同大学院地球市民学専攻主任。近年の著作は、編著『メディア文化と相互イメージ形成―日中韓の新たな課題』(九州大学出版会)、共著『日本帝国をめぐる人口移動の国際社会学』(不二出版)など。東アジアのメディア文化、日本・東南アジア間の日系人や看護・介護労働者の国際移動など、人と文化の越境に関する研究を行っている。

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